3.

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 どさくさ紛れにルーファスの反応を試すようなことを言ってしまった。  遠く広い世界に向ける彼の目があまりにも輝いていたからだ。きっと、彼との旅は心弾む道になるだろう。だがルーファスの返事はない。ラグエルはもう一度、大河の跡を目で辿った。 「ルーファスさまは地形や自然に詳しいのですね」 「うん。家に本がたくさんあって、勉強したんだ」 「……その目で、もっと広い世界を見てみませんか?」 「いいよ。ここで十分。ぼくはここからの眺めが好きなんだ」  ――あなたは世界中どこでも行ける。  ラグエルは喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。地形や自然物に対するその興味、探求心。まぎれもなく勇者の血だ。ラグエルはそれを感じる。  ルーファスがとるに足らない伝説話に目を輝かせたは気のせいではない。まさしく世界を知りたがっているのだ。  だが、この小さな主人は(かたく)なだった。  
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