1279人が本棚に入れています
本棚に追加
「マナベ店主。アルノルト・フォン・ライムバッハ。クリスティーネ王妃の命にて参内いたしました」
「ライムバッハ侯爵。どうぞお通り下さい。案内は必要でしょうか?」
「いや、大丈夫です」
「解りました」
ここ毎日の事だが、面倒この上ない。
セキュリティの面から考えてもしょうがない事だというのは、解っているが、もう少し簡略化出来ないのか?
まぁ”それも”今作っているのだからしょうがない。大戦が終わってまだ2年、戦争中は、この新しい魔法理論は戦争の道具でしかなかった。まだこれからの技術なのだ。
それまでの魔法から大きく変わってしまった事もそうだが、”プログラム”という新しい概念を持って、魔法が一部の人が使う物から、一般生活を豊かにする物に変わっていくのだ。
これから、優秀な技術者が産まれ、もっともっと新しい考え方を組み込んで、生活を豊かにしてくれるだろう。
「アル。来てくれたのですね」
「勿論です。クリスティーネ王妃様」
「前のように、クリスと呼んでください。ライムバッハ侯爵閣下」
「いやいや、王妃様をそんな呼べませんよ。陛下に殺されてしまいます。」
「あの人が?あなたを?無理無理、100年経っても出来ませんよ」
この会話も、ここ数年で何回も繰り返してきた定番のやり取りだ。
最初のコメントを投稿しよう!