序章

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 魔法陣が展開されるために、そこそこ大きな空間が必要になる。ゲートの魔法は、俺が開発した事になっているが、前から存在していた”転移魔法”の応用にすぎないのだ。ただ、転移魔法が数千人に一人しか使えなくて、失敗する場合も多かったが、俺が開発したゲートは成功率が99.999%と事故率が極めて低い上に、”誰でも”利用できるのが特徴だ。 「イル!」 「あ!アル先生。」 「先生はよせって言っているだろう」 「でも、先生は先生だよ?」  イルメラは、アーベントロート戦役の前に、陛下とクリスティーネの間の子供で長女として産まれた。継承権は第二位で、6歳だが天才と言っても過言ではない。兄は、ルーベルトでそちらが第一継承権を持っている。 「イル。本当に飽きないな。」 「はい。何度見てもすごいなと思います。」 「そうか、それで今日は何を知りたいのだ?」 「はい。今日は、ゲートカードの部分を教えてください」  ゲートの魔法の使い方は簡単で、魔法陣の上でゲートカードを持って、魔力を流すか、魔道具にセットすれば、魔法陣に、カードに登録されている場所に繋がる(ゲート)が出現する。  (ゲート)をくぐると、別の場所に移動できるという単純な魔法だ。知っている人は居ないだろうが、最初”どこ○もド○”と名付けようとして流石にヤバそうなのでやめた経緯がある。いわくつきの魔法だ。  新しい魔法理論が生まれる前は、魔法は”イメージ”と”魔力制御”が必要な為に、万人ができるような代物ではなかった。  魔力を集めて、そこにイメージを付与する事で、魔法が事象改変を行う。     
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