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「子どもも欲しいし、やり繰り頑張らないと」
「そうだねー。子育てはお金もかかるしねー」
「うん、お金もだけど、私が主婦業に慣れてから子どもの事考えようって言われてるから」
「主婦業に慣れてから?」
「やり繰りもだし、料理や家事全般ね。そういう事に慣れないうちに子育てまで加わると大変だから、私が出来るようになってから考えようって」
「…家事全般っても、共働きだから香澄が全部一人でってのは大変そうだけど」
「そう、私の負担考えてフル勤務は辞めてパートにしたらって言ってくれたの。それでも結構忙しいけどね。さっきも言ったけど、夫は定時に帰ってくるから」
「主婦業に慣れてからって、どこで判断するの?」
「それは夫がね。もう少し頑張ろうって励ましてくれるよ」
「…ふーん、あ、あれか。要するにまだ二人でイチャイチャしたいって事かな?」
「そうかもー」
夕方、香澄はチラとスマホ画面で時間をチェックする。
「そろそろお開きにする?」
真紀の方から言ってくれた。
「うん、今日はありがとね。久しぶりでほんと楽しかった」
「香澄は中々時間取れないもんねー。今日は有休取れたんだよね」
「うん、パートでも半年過ぎると有休つけてくれるから」
「また会おうね。でも土・日は無理なんだよね?」
「うん、夫がいるし」
会計の時真紀が出した財布に香澄は 気づく。
「あれ、また財布替えた?」
「うん、奮発して買っちゃった」
「素敵ーやっぱそのブランドのもの、可愛いよね」
「香澄だって持ってるじゃん」
「私のは独身時代のものだもん。ま、あの愛着があるけどね」
「わあ、私も独身時代って過去形で言いたいよ」
「真紀は選り好みし過ぎなんだよ」
じゃあねーと手を振って別れる。
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