恋のはじまりは0cmから

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「今までの練習やって、一回も踊れたことないやん」 あきれたように直人(なおと)がため息をつくので、莉緒(りお)の顔がみるみる赤くなった。 「今日はもしかしたら、奇跡が起きるかもしれへんやん」 ジャージの上着の(すそ)をにぎりながら、莉緒は(くちびる)真一文字(まいちもんじ)に結ぶ。耳朶(じだ)まで熱を帯びている。 直人は再びため息をついた。
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