恋のはじまりは0cmから

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********** オクラホマミキサーのメロディを、どこか遠くで聴きながら、莉緒(りお)は気づかれないように、そっと次のパートナーを確認する。 圭太(けいた)先輩。 あこがれの先輩まで、あと少し。 心臓の音がうるさいぐらい早鐘(はやがね)を打っていた。 伸ばした手が、先輩の手に触れる。 その刹那(せつな)、逆方向に力強く引っ張られる。「えっ?」と思った瞬間、無情にも音楽が鳴り止んだ。 「残念、やったな」 莉緒の手を掴んだまま、頭ひとつ分高い場所で、直人(なおと)が意地悪く笑った。
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