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オクラホマミキサーのメロディを、どこか遠くで聴きながら、莉緒は気づかれないように、そっと次のパートナーを確認する。
圭太先輩。
あこがれの先輩まで、あと少し。
心臓の音がうるさいぐらい早鐘を打っていた。
伸ばした手が、先輩の手に触れる。
その刹那、逆方向に力強く引っ張られる。「えっ?」と思った瞬間、無情にも音楽が鳴り止んだ。
「残念、やったな」
莉緒の手を掴んだまま、頭ひとつ分高い場所で、直人が意地悪く笑った。
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