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「ジャマみたい、やなくて、ジャマしてんのや」
直人の思いがけないセリフに、莉緒はピタリと動きを止める。
「ジャマって、直人なに言うてんの?」
「……オレは莉緒をかわいくするんが好きや」
せやけど、と言いながら、直人が腕を伸ばした。莉緒は思わず一歩後ろに下がる。
しかし、かかとがコンクリートの壁にあたり、これ以上は後ろには下がれない。
見上げれば、直人の顔がすぐ近くにあった。
目元が、うっすらと赤い。
ずっと昔から知っているはずなのに、はじめて見る男の人のようだ。
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