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ル達をここに呼び寄せたのは、このソマリ猫だった。ソマリ猫と一緒にここへやっ
て来た仲間たちは、みんな、すでに栄転していた。もう、成猫となってしまってい
るソマリ猫に、時間は無かった。ルルは、ソマリ猫が入っている、透明なアクリル
ケースの前で足を止めた。それを見たソマリ猫は、首を左右に傾げながら、ゴロン
ゴロンと転がって、得意の両手顔カイカイをやった。
「かわいい。私、この猫ちゃんにする!」
「もう、決めちゃうの?」
「ははは。気が早いなあ。」
何度も練習を積んだ両手顔カイカイが、やっと認められたのだと、ソマリ猫は感無
量だった。ソマリ猫は、この中の誰を落とせば生き残れるのか、目星がついた。
「何かお探しですか?」
ヒョウ柄のきれいなお姉さんは、ピョンッとオブジェから下りると、微笑みながら
ルル達に近づいてきた。
「あ、ええ、まあ。」
ルルのお父さんが曖昧に答えると、ヒョウ柄のきれいなお姉さんは、
「何かございましたら、遠慮なくおっしゃって下さい。」
と満面の笑みを浮かべた。
そしてその後に、いつまでも売れないソマリ猫を、チロリと鋭い目で見た。
(チャンスを生かせ!)
(、、、、)
ソマリ猫は、ヒョウ柄のきれいなお姉さんのビームに、何かを決意した。
「では、ゆっくりとご覧ください。」
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