<第三章> 鬼火の勇者

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そして、こちらを見て、いつも通りの微笑を浮かべた。 「さよならだ、カナメ君」 「待て」 慌ててその腕を掴もうと駆け寄り、手を伸ばしたが、メノウには届かなかった。 メノウが寂しげに笑う。 ポッ…と再び燐光が現れたかと思うと、それは蒼炎の壁になり、思わず腕で顔を覆う。 「メノウ!」 炎が収まり、顔を上げ、何度も彼女の名を呼んだ。 だがすでにメノウの姿は無く、 ただ廃墟の神殿に、自分の声が虚しく、反響するだけだった。
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