2人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃーな。今日は倒れるなよ!」
「分かってるって!」
別に倒れたくて倒れてんじゃねぇし、って付け足したテツに、知さんは笑ってポンポンって頭を撫でると、反対方向のホームに向かった。
テツとボクは来た電車に乗る。知さんはテツを見送るためにちょっと早めに家を出たみたい。
言い合いするけど、知さんもテツを心配してるんだよね。
「…くそっ、ムカつく」
頭を払って呟いたテツ。銀色の髪がサラッと揺れた。
それは子供扱いする知さんに?それとも、弱い自分に?
聞けないけど、悔しそうなテツを見るのは悲しい。
ちょっと考えて、座ったテツの足に擦り寄った。
笑って笑って、って自分が笑ってテツの顔を見上げる。
ん、ってボクに気付いて撫でてくれるテツは、何だかんだ、お前が1番分かってそうだよな…ってボクにしか聞こえない声で言った。
最初のコメントを投稿しよう!