2.お兄さん

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「じゃーな。今日は倒れるなよ!」 「分かってるって!」 別に倒れたくて倒れてんじゃねぇし、って付け足したテツに、知さんは笑ってポンポンって頭を撫でると、反対方向のホームに向かった。 テツとボクは来た電車に乗る。知さんはテツを見送るためにちょっと早めに家を出たみたい。 言い合いするけど、知さんもテツを心配してるんだよね。 「…くそっ、ムカつく」 頭を払って呟いたテツ。銀色の髪がサラッと揺れた。 それは子供扱いする知さんに?それとも、弱い自分に? 聞けないけど、悔しそうなテツを見るのは悲しい。 ちょっと考えて、座ったテツの足に擦り寄った。 笑って笑って、って自分が笑ってテツの顔を見上げる。 ん、ってボクに気付いて撫でてくれるテツは、何だかんだ、お前が1番分かってそうだよな…ってボクにしか聞こえない声で言った。
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