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屋上へのドアを開けて出ると、綺麗な青空だった。
思わず走り出すボクを、テツは優しく笑って許してくれる。
え?鍵?鍵がなくてもここは開くんだって。
ドアノブをこっちに回して、ドアをこう傾けて押して、次はこっちに回して…って分かんないけど手順とコツがあるって言ってた。
…誰から聞いたんだろ?
「あー、エナ!サボリーノ?」
「…お前もだろ?」
「俺も」
そう言って、給水タンクの影から出てきたのは2人。
双子みたいにそっくりな男の子、小鷺季生くんと小鷺明生くん。
こさぎきい、こさぎあお、って読むんだって。
読めないよね?
先に声を掛けてきたキイくんは、いつも楽しそうな笑顔。
金髪の髪が綺麗だよ。アオくんよりちょっとだけ背が低いかな?
…まぁ、テツがダントツで1番なんだけど。
アオくんは、いつも無表情で笑わない。あ、でも屋上で会う時の方が教室とかより穏やかかも。
黒髪で耳にピアスをたくさん付けてるから、歩くとジャラジャラ鳴る。よく生徒指導の先生に怒られてるけど、本人は気にしてないみたい。凄いよね。
「今日は、誰助けてきた?」
「あ、当てたい!」
「…え?あー、どうぞ?」
もう忘れてたのか、ちょっと思い出す顔でテツが答えた。
うーん、ってキイくんは考える。
給水タンクにもたれて座る2人の横に並んだテツは、やっと穏やかな顔になった。
ここでしか話さない2人だけど、何か落ち着くみたい。
ボクもテツの横に座る。
よしよし、ってテツ越しにアオくんが撫でてくれた。
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