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嬉しくてしっぽをブンブン振る。
「おばあさんの荷物を持ってあげた、とか?」
「いや、遅刻してないから、じいさんに電車の席譲った、とか?」
キイくんにアオくんが順番に答えた。
「…2人とも半分正解」
「「半分かー」」
伸びた言葉尻と共に、キイくんとテツが仰向けで転がった。
なぜか、会う度に繰り返してるこのクイズ。
何が楽しいのかな?クイズ形式にしてるけど、いつもちゃんとした答えは聞かないんだよね。
だから、今日もこれで終わり。
「なぁ」
「ん?」「何?」
寝っ転がって空を見たままのテツが言う。
「アオって出席日数足りてんの?」
「あ?俺?俺は勉強出来るから平気だけど」
「あー、そうだった…」
「何で?」
「いや、いつ来ても会うな、って」
そうなんだ。
アオくんは、いつ来てもここにいる。
一日中なのか、たまたま気が向くタイミングが合うのか分からないけど。
でも、勉強出来てれば良いっていうのも本当みたいで。
張り出されるテスト結果はいつも1位で、先生が何か言うのを見た事も無いんだ。
「エナは?」
「オレはそこ考えてるから 」
「あー、まぁ、エナは大丈夫か。それよりキイが絶対ヤバイ」
「あ!それ!エナ聞いて!アオ酷いんだぜ!!」
ガバッと起きてテンション高く話すキイくん。
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