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「え?何がダメなんだ?」
気になったのか、身を起こして座ったテツ。
「…じゃあ、テツ教えてやるか?」
「え?いや、オレは教えるほど出来ない…」
「俺だって、別にキイが嫌いじゃないから教えてやったこともある」
「上からだな!」
キイくんのツッコミを、ふん、って鼻で笑ったアオくん。
ボクから見ると、アオくんもキイくんもお互いを凄く大事にしてるように見える。
あの、魔法学校のお話に出てくる双子みたいに仲良しだよね。だから、余計バッサリ断った理由が気になる。
「こいつ、サイン・コサイン・タンジェントって誰?って素で言うんだぜ?」
「…え?」
「だろ?今は世界史じゃねぇ、数学だ!って何回言ったと思ってんだよ…」
「…あー、なるほど」
つまり、手をつけられなかったって事?
「今も?」
「さあ?俺、お手上げだから。この間は聖徳太子をせいとくふとこ、ってイジメられただろうなぁ、って凄ぇ同情してたし」
「…お、おぅ。そっか」
テツも流石に言葉が出ないみたい。
ちょっとだけ無言の時間が流れた。
「2人しておれのことバカにしやがって!」
ムスッとした顔のキイくんが言う。
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