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焦ったボクは、テツの服を咥えて引っ張った。
頭をポン、ってされたからちょっと安心。
分かってるみたい。
目も怒って無かったから大丈夫かな。
テツはまた足早に去ろうとしたんだけど、相手が悪かった。
「遊んであげましょーか、子猫ちゃ~ん?」
「ほらほら、怖くないでちゅよ~?」
ってゲラゲラ笑うから。
「…お前らが悪いんだからな」
ってボソッと小さく聞こえて、あ、と思ったら遅かった。
テツは相手に近付き、思いっきり睨め付けた。
怒って一発殴ってきたのをサッと避ける。
そのまま素早く懐に入って、下から一撃、ガツン。
最後2人にはちょっとだけ殴られちゃったけど、5人を伸してしまった。
「…ヤバい」
「…クゥン」
やっちゃったね、って言ったつもり。
体力のないテツは、速攻なら強い。
空手黒帯?らしいし。延長戦は全然ダメだけど。
「でも、先に手ぇ出して来たのはそいつらだし」
「……」
手を出すように仕向けてた気がする。
しかも最後の2人、わざと殴られてたように見えたんだけど…?
疑いの目を向けると、テツは気まずそうにそっぽを向いた。
いそいそと伸びた5人を引きずって道の端に座らせていく。
テツは、背の低さを気にしてる。
キイくんに、威嚇してるロシアンブルーの子猫、って言われてから酷くなって、厚めの中敷2枚入れたり、中が厚底になってる靴しか履かない。
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