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その後、帰って来た知さんと散々言い合いして、夕飯ではお父さんに聞かれてた。
「哲、どうした?」
お父さんは箸を止めてそう言うと、自分の口角を指した。
日頃無口なお父さんは、必要最低限しか話さない。
だから、お父さんが声を出すと一瞬静かになる。
多分、みんな聴こうとするからかな?
まぁ、その後、お母さんと知さんが話すからすぐ賑やかになるんだけど。
斜め同士の席で2人が話してるのを、クロスする形で話す哲とお父さん。
哲の声は大きく無いのに、いつもお父さんはちゃんと聞いてるんだ。凄いよね。
「…ケンカした、ごめん」
気まずくてボソボソ話す哲。
「そうか」
「……」
「哲」
「…はい」
「愛してるから」
「はぁ?!」
あ、イス倒れた。
哲が大声で急に立ち上がったから、知さんとお母さんも驚いてる。
「うるせぇ!」
「もぅ、行儀悪いわよ?」
「いや、だって!」
怒られてイスに座り直した哲は、驚きと焦りで真っ赤になってる。
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