7.雨の日

4/5
前へ
/79ページ
次へ
もう1つ、ボクが気になってること。 いつも通るコンビニの道から、5本先。 コンビニからは10分くらいかな? そこに川があるんだ。 川はちゃんと道から低い位置にあって、その道も交通量が多いから通学路とかでは無くて、散歩する人とか、ジョギングの人とかが使ってたりするんだけど。 それが少しずつ増水してる気がする。 テツも気にしてて、帰りに寄って帰ったりしてるんだよね。 もし、誰か流されたら?その場に居合わせたら? 絶対テツは助けちゃう。 体力使い切ってフラフラになって、バシャン!って川に落ちるテツが想像出来て怖いんだ。 「学、哲起こしてやってくれ」 『うん!』 髪のセットを終えた知さんが食卓につく。 お母さんが、タイミング良く出したオムレツは綺麗な黄色。美味しそうだなぁ。 ボクは、ダッシュで階段を駆け上がって起こしに行く。 一緒に下りてきたけど、やっぱりテツはしんどそう。 「…いただきます」 言葉も元気無い。 ボクは、心配で膝にあごを乗っけて見守る。 こんな状態で魔法使ったらまた倒れちゃう。 頑張ってたけど、出された半分だけ何とか食べて洗面所行っちゃった。 「…学、哲を頼んだよ」 『任せて!』 心配顔のお父さん。みんな心配してるけど、本人の前で顔には出さないんだ。嫌がるのが分かるから、いつも通りにするって決めてるんだって。 だからボクがみんなの分もテツを守るよ! みんなの心配を知らないテツは、いつも通り知さんと言い合いしながら学校に行った。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加