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もう1つ、ボクが気になってること。
いつも通るコンビニの道から、5本先。
コンビニからは10分くらいかな?
そこに川があるんだ。
川はちゃんと道から低い位置にあって、その道も交通量が多いから通学路とかでは無くて、散歩する人とか、ジョギングの人とかが使ってたりするんだけど。
それが少しずつ増水してる気がする。
テツも気にしてて、帰りに寄って帰ったりしてるんだよね。
もし、誰か流されたら?その場に居合わせたら?
絶対テツは助けちゃう。
体力使い切ってフラフラになって、バシャン!って川に落ちるテツが想像出来て怖いんだ。
「学、哲起こしてやってくれ」
『うん!』
髪のセットを終えた知さんが食卓につく。
お母さんが、タイミング良く出したオムレツは綺麗な黄色。美味しそうだなぁ。
ボクは、ダッシュで階段を駆け上がって起こしに行く。
一緒に下りてきたけど、やっぱりテツはしんどそう。
「…いただきます」
言葉も元気無い。
ボクは、心配で膝にあごを乗っけて見守る。
こんな状態で魔法使ったらまた倒れちゃう。
頑張ってたけど、出された半分だけ何とか食べて洗面所行っちゃった。
「…学、哲を頼んだよ」
『任せて!』
心配顔のお父さん。みんな心配してるけど、本人の前で顔には出さないんだ。嫌がるのが分かるから、いつも通りにするって決めてるんだって。
だからボクがみんなの分もテツを守るよ!
みんなの心配を知らないテツは、いつも通り知さんと言い合いしながら学校に行った。
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