7.雨の日

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今日も川に寄って帰るんだって。 話せないボクには止める方法がない。 体調悪いから、真っ直ぐ家に帰って欲しいのに。 「ワンワン!!」 止めようよ!帰ろうよ!って言ってみても、よしよしって頭を撫でられるだけ。 服を引っ張っても、どうした?って優しく解かれてなだめられちゃうんだ。 どうしたら止められるのか分からない。 お父さんに、川に寄るな、って言ってもらったら良いのかな? でも、聞かない気がする。 そもそも、ボクがお父さんに報告してることをテツは知らない。 じゃあ、川に寄るな、って言われたところで、行ってない、って言われたらそれで終わりだよね? あー!どうしたら良いんだろう?! そもそも、テツは泳げないのに魔法だけで何とかなるって本当に思ってるのかな? 自分に魔法はかけられないのに! 悩んでる内に川に着いちゃった。 テツは川を見渡してる。 流石に人は居ない。 けど、いつもの倍くらいに増水してる。水も濁ってるし。 「ワンワン!!」 早く帰ろ!! 怖くなってテツを引っ張る。 引っ張られたテツが川に背を向けた時だった。 バシャン! 何かが川に落ちる音がした。 増水した川の音で聞こえにくかったけど、耳が良いボクには聞こえた。 振り返らなかったら良かったんだけど、つい気になって振り返っちゃったんだ。 ボクの様子にテツが真剣な顔をした。
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