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「ワンワン!ワンワン!!」
哲の前では普通の犬でいてくれないか?って言うお父さんの願いを守ってるから、言葉は話さない。
落ちこぼれなのを気にしてる哲の味方でいてくれ、って言うお父さんの願いだよ。
我が家は犬まで賢いのを知ったら、こっそり落ち込みそうだから、だって。
テツの起こし方は決まってる。
まず、ベッド横で吠える。まぁ、ほとんど起きない。
次に、ベッドに乗っかって揺すって顔を舐める。ちょっと唸るけどまだ起きない。
最後に、布団を引っぺがして、テツの服を咥えて引きずり落とす。
ゴン!
あ、床で頭打っちゃった。
「痛ぇ~…」
やっと起きた!おはよ、おはよ!
起きたのが嬉しくて、胡座をかいたテツの周りを走り回った。
寝起きが悪いテツは、唸りながら寝癖で跳ね放題の銀色の髪をガシガシしてる。
「あー、もう!分かった、分かったから!!」
ぐるぐる回ってたら、捕まった。
「学、おはよ」
ギュッって首に抱き付いてくれるテツに「ワン!」って返事する。おはよ!
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