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何でテツだけ小さいのかなぁ?ってボクは不思議なんだよね。
お父さんも知さんも大きくはないけど普通だから。
知さんを見上げて言い合いしてるテツを、ボクはじーっと見てる。
「学、何?」
「ん?」
あ、気付かれた。言い合いの合間に言うから聞き逃しかけたよ。
知さんも言い合いを止めてこっちを見てる。
テツは、何してても周りのことが見えてるみたいで、特にボクのことはすぐ気付いちゃう。1番近くに居るからかな?
「ワン!」
何でもないよ!って意味を込めて吠えてみる。
ついでにテツの足に擦り寄る。大好きだよー、って伝わってる?
「はいはい」
良い子良い子、って撫でてくれた。
いつもそんな顔してれば良いのに。ボクに構ってくれる時は、とっても優しい顔なんだよ。
これなら威嚇してるロシアンブルーの子猫?って喧嘩ふっかけられないのにね。
「学は哲が好きだな~、ちょっと羨ましいわ」
呆れ気味に知さんが言った。
ダメ?好きだけど心配でもあるんだよ?
「そうでもないだろ?」
「え~…」
報われてない学、可哀想にな~、って知さんが撫でてくれた。
家族みんな大好きだよ?でもテツが1番なんだ。
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