2.お兄さん

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何でテツだけ小さいのかなぁ?ってボクは不思議なんだよね。 お父さんも知さんも大きくはないけど普通だから。 知さんを見上げて言い合いしてるテツを、ボクはじーっと見てる。 「学、何?」 「ん?」 あ、気付かれた。言い合いの合間に言うから聞き逃しかけたよ。 知さんも言い合いを止めてこっちを見てる。 テツは、何してても周りのことが見えてるみたいで、特にボクのことはすぐ気付いちゃう。1番近くに居るからかな? 「ワン!」 何でもないよ!って意味を込めて吠えてみる。 ついでにテツの足に擦り寄る。大好きだよー、って伝わってる? 「はいはい」 良い子良い子、って撫でてくれた。 いつもそんな顔してれば良いのに。ボクに構ってくれる時は、とっても優しい顔なんだよ。 これなら威嚇してるロシアンブルーの子猫?って喧嘩ふっかけられないのにね。 「学は哲が好きだな~、ちょっと羨ましいわ」 呆れ気味に知さんが言った。 ダメ?好きだけど心配でもあるんだよ? 「そうでもないだろ?」 「え~…」 報われてない学、可哀想にな~、って知さんが撫でてくれた。 家族みんな大好きだよ?でもテツが1番なんだ。
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