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「わぁ! びっくりした。まさか、ここにいるなんて」
彼との出会いを思い出しながら、思い出のコスモス畑を歩いている私の元に、最高のプレゼントが届いた。
彼に恋をしたあのバス停に、高校生になった彼、矢野悠斗が立っていた。
北海道ナンバーワンになった彼は、強豪陸上部のある高校から引き抜かれ、今は寮生活を送っている。
部活の休みができるとこうやって、バスを使い、地元へと帰ってくる。
「今日、帰ってくるなんて、知らなかった」
「驚かそうと思って、こっそり帰って来たのに、俺の方が驚いたよ」
顔を見合わせ、笑いあう。その後、私は彼を見つめて言った。
「おかえり、悠斗」
「ただいま、美咲」
私たちは、バス停のベンチに腰を掛け、コスモス畑を見ていた。
私たちの恋は、中三の秋、この場所から始まったのだ。
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