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自宅近くの井の頭公園のベンチに座り、由佳は自身のスマホを見る。今日も美香からの着信はない。
あの事があってから、美香とはまったく連絡が取れていない。もう3ヶ月以上も…。
由佳は思う。美香には、本当に申し訳ない事をした。あんな事に巻き込んでしまってー。
由佳は都立高校に通う2年生。一方、美香は私立で、二人は中学の同級生だ。
そして今、二人はそれぞれ別の件で、警察から事情聴取を受けている。
美香は大丈夫だろうか…。
由佳は、親友の身を案じる。
美香の彼氏はこの夏、甲子園で日本中の注目を集めた高校球児だ。ホームランの新記録を打ち立て、チームは決勝に進出した。
しかし決勝が行われる日、彼は試合には出ず、警察に出頭したのだ。
美香が連日、警察に呼ばれているのは、それに関する事だろう。一方、由佳はー。
今日、本庁の矢田という刑事に、こんな事を言われた。
「そろそろ、本当の事を話して頂けませんかー」
夏の間は夜でも若いカップルで溢れるこの公園も、秋も深まりめっきり涼しくなった今般、21時を過ぎたこの時刻にはほとんど人の姿はない。
もう帰ろうかな。
そう思いベンチを立って歩き出すと、前方から巨大な物体が突進してくるのが目に入った。まさか、あれはー。
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
髪を振り乱し、由佳は懸命に逃げる。
しかし足がもつれ転倒、そこを喰いつかれた。
巨大なハゲ頭に首から下は大蛇の、人喰い化け物である。
必死の抵抗もむなしく、由佳は腰まで飲み込まれた。そしてー。
「あっ、あっ、あァァァァァァァ!」
自分でするのとは別次元の快感が、由佳の秘所を襲う。
湧きあがるエクスタシーの中、由佳は徐々に全身を飲み込まれていったー。
目撃者からの通報を受け、警視庁に激震が走る。
襲われたのは都内の高校に通う少女(17)で、川口琢哉から強制性交の被害を受けたとされる女子高生であった。
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