最後の晩餐

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顔を近づけると、それは温水洋一にそっくりな風貌をした、ほんの小さなおじさんだった。両腕で膝を抱えたままこちらをじっと見ている。 なぜ、ぬっくん? いや、論点はおそらくそこじゃない。 混乱したまま凍りつく。 「Good luck!」 真面目な顔でそう言 うと、街灯の光を受け虹色に輝く羽根をぱたぱたさせて妖精は、しかめっ面に愛想を一滴足したような、不器用きわまりないウインクを送ってよこしたのだった。 fin
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