11話 改良パウレインとゴーグル

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 この世界における特許審査はある意味画期的である。なぜなら神様が特許を審査するからである。  人が介在しないため利害関係による不正もなく特許侵害も行えない。特許侵害をすれば神罰が下るからだ。  具体的には、職業神様が祀られた特許審査殿に特許対象製品を奉納し御神体である鏡に特許可という文字が浮かびあがれば、その商品の特許が認められる。  その後は、各国の最高権力者、フォルテア王国の場合は国王の名で特許状が作成され10年間の特許の権利が与えられ、特許権利期間の間は模造品の製造販売はできない。  特許登録が行われた商品の販売は、特許取得者と商品を販売する商会とでライセンス契約を行うことで初めて販売が可能になるため、特許を取得した商品が貴重であったり、人気が高い場合は莫大な利益を得ることができる。  ワーグは改良パウレインを連名で特許申請してくれ、ロランはその後も靴磨きの際に糞尿が目に入らないよう昆虫型の魔物の眼を加工して作成したゴーグルを特許申請し特許を取得した。
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