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「………」
イモリ、いや淳は何も答えないまま亜夜を見つめている……
「淳……。やっぱりダメでしたか…」
何も言わない彼に、無性に悲しくなった亜夜は目を瞑り項垂れたが…
「アヤ、俺を見るんだ」
「え?」
亜夜の手に彼の手が伸びてきて優しく握りしめて来て、驚いた亜夜が顔を上げると…
「アヤ…俺もずっと…待ってたんだ…」
「………」
「本当は俺から言うつもりだったけど、アヤが想いを打ち明けると…だから黙って聞くことにしたんだ…」
「じゃ…あたしの想いを…」
「ああ、受け入れるよ。俺を好いてくれて嬉しいよ。ありがとう…」
淳は亜夜の手を握ったまま嬉しそうに笑う。
「淳…あ、あたしを…好きだったの…?」
「そうだ。初めて教壇に立った時から、アヤを好きになったんだ…あれから、ずっとアヤを想い続けていたんだ…」
「で、でも…あの時の発言は…」
「うむ、生徒に恋をしましたと言ってしまったら教師失格になるからな…あの時から、アヤは俺に振り向いてくれなくなって…寂しい思いをしたんだ…」
「………あたし…初恋だったのに…あの発言は…凄くショックだったの…もう、淳に恋は出来ないと…淳を見ると辛くなるから…見ないように…」
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