78人が本棚に入れています
本棚に追加
「アヤ…すまなかった。俺も10年間ずっと、アヤのことを想い続けていたんだ」
「淳…もし、あたしが…あなたをキッパリ諦めて他の人と付き合っていたら…?」
「難しい質問だな。諦めることは…多分、ないだろな……アヤも同じだろ?」
「え?」
「アヤは俺のことしか考えてなかっただろ?」
「……はい…」
淳の指摘通り亜夜は彼以外、一人の男として見た人は一人もいなかったし、求愛されても即刻断っていたから…
「俺もだ。アヤに惚れてからは、アヤ以外の女を女として見れなくなったんだ…だから、ずっとアヤを待ってたんだ」
「じゃ…淳が誰とも付き合うことなく、あたしをずっと待っていたんですか?」
「ああ、そうだ。実を言うと、アヤたちの卒業式が終わった後に想いを告げるつもりだったんだ…」
「あ…あ、あたし…式典が終わるなり…」
亜夜は卒業式が終わると同時に教室に戻らず、家へ逃げ帰ってしまったのだ…
「アヤ、俺は…教え子たちの前で泣いたんだ…アヤのこと、好きだったから…教育者としては失格ですと…」
「え!?」
思いがけない事実に亜夜が目を丸くした瞬間…
最初のコメントを投稿しよう!