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「ハア…」
「藤井先生、どうしたんた?大きなため息を吐いて」
鮎美からの手紙を読んで数週間は、スマホと睨めっこしていたが期待の答えは未だに来てない。
「あ、いや…ちょっと考えごとをしてて…」
「そうか。あまり溜息ばかり吐くと幸せが逃げていくよ」
「あはは…」
「あ、そう言えば来月に女子大から実習生がくるこになってるから、指導をよろしくな」
主任でもある同僚・石川からの願いに光夫はうん、と頷いた。
光夫は中等部で国語を教えていたので、同じ国語教諭を志している実習生のために実習担当を任されていたのだ。
ー 鮎美…会いたいな…
秋晴れの空を見上げた光夫は教え子のことを想っていた…
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