未開封の手紙

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「藤井先生、一緒に帰りませんか?」 「え?」 彼女の実習が明日で最後になるが、彼女から帰りの誘いを受けた光夫は少し戸惑いの色を浮かべる。 「あたし、明日で終わりますので。一度だけでいいから藤井先生と話をしたくて…」 「話はここでも出来るでは…?」 「ここでは、誰かに聞こえてしまうので…」 「わかった…少し待っててね」 彼女の言う通り、周りには数人の先生が残っていて、光夫は話の内容を聞かれたら不味いかなと思い彼女のお願いを受け入れた。 「あ!夕焼けが綺麗ですよ!」 「ああ…」 校門を出た光夫は隣でビル間に沈む夕陽を指差す彼女の声につられて、彼女の横顔を見た… ー え… 夕陽にあたり黄金のように輝く彼女の横顔に、光夫は息を飲んだ…… 「………あ、鮎美?」
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