78人が本棚に入れています
本棚に追加
ー 10年前 ー
亜夜は一人の男だけを見つめていた…
授業中、教壇の上で立つ背の高くてハンサムな新任教師・井守 淳を…
新任早々、クラス担任に任されてしまった彼は少しオロオロしていたが、ベテランの副担任にアドバイスされながらHRを無難に進めていた。
亜夜が印象に残ってるのは彼が自ら、自分のあだ名を付けてクラスを笑わせたことだった…
" 井守だから俺のことをイモリと呼んでくれ "
彼は先生と呼ばれるのが嫌だったらしく、呼ぶ時はあだ名でと伝えたことで、たちまちクラスだけでなく全校の人気者になった。
「イモリ!彼女いる~?」
「イモリ~。あたしと付き合って~」
独身だった彼の回りはいつも女子生徒が取り巻いていたのだが…
「あ~!俺は生徒と恋をしないことに誓ってるから!生徒とは付き合えませ~ん!ごめんなさ~い!」
彼が女子生徒との交際は一切しないと公言してるのに、彼の取り巻く女子生徒は一向に減らなかった…
でも…
彼の公言で…
あたしは…
彼、井守 淳への想いは…
心の奥深く封印してしまった…
最初のコメントを投稿しよう!