10年目の事実

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ー 10年前 ー 亜夜は一人の男だけを見つめていた… 授業中、教壇の上で立つ背の高くてハンサムな新任教師・井守 淳を… 新任早々、クラス担任に任されてしまった彼は少しオロオロしていたが、ベテランの副担任にアドバイスされながらHRを無難に進めていた。 亜夜が印象に残ってるのは彼が自ら、自分のあだ名を付けてクラスを笑わせたことだった… " 井守だから俺のことをイモリと呼んでくれ " 彼は先生と呼ばれるのが嫌だったらしく、呼ぶ時はあだ名でと伝えたことで、たちまちクラスだけでなく全校の人気者になった。 「イモリ!彼女いる~?」 「イモリ~。あたしと付き合って~」 独身だった彼の回りはいつも女子生徒が取り巻いていたのだが… 「あ~!俺は生徒と恋をしないことに誓ってるから!生徒とは付き合えませ~ん!ごめんなさ~い!」 彼が女子生徒との交際は一切しないと公言してるのに、彼の取り巻く女子生徒は一向に減らなかった… でも… 彼の公言で… あたしは… 彼、井守 淳への想いは… 心の奥深く封印してしまった…
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