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「松久保さん、どうだった?」
「うん…時間は掛かりそうだから、ゆっくり時間をかけてケアしていきましょうで…」
待合室で待っていた樹はカウンセリングを終え、出てきた亜純に声を掛けたが、目を床に向けたまま返事する彼女にズキンと胸が痛くなる…
「え!?治療は難しいですか!」
「そうね…あの子、もの凄いショックを受けたみたいね。完全に心から恐怖感を取り除くのは無理ね…」
「じゃ…松久保さんはずっと異性に怯えながら生きていかないとならないですか?」
「そういう事になるわ。ただ一つだけ方法があるわ」
「何でしょうか?」
カウンセラーに治療は難しいとの診断に、少なからず気落ちする樹だったが、唯一の治療方法があるかも知れないと言うカウンセラーの話に顔を上げた。
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