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カウンセリングを受けた翌日から、亜純は学校に来なくなった。
「あの、松久保さんはどうされましたか?」
「うむ、父親が言うには…学校に会いたくない人がいるからって…」
「そうですか…」
心配になった樹は亜純の担任に訊ねると、会いたくない人がいると聞き心の奥でズキンと痛くなった…
ー あたし、嫌われたみたい…
樹は気落ちするが、すぐに行動に出た。
「松久保さん!話をさせて!」
午後の職務を休み亜純の家へ訪問した樹は、父の再婚相手に事情を説明して亜純の部屋へ案内してもらっていた。
「松久保さん、あたしの部屋に来て一緒に暮らさない?」
なかなか部屋の中から返事がなく、樹は最後の手段として提案するとガチャリと鍵が降りてドアが開いた。
「先生…今の話、ホントなの?」
「ホントよ。先ずご両親と学校に事情を説明しないとね」
「やだ!今すぐにでも暮らしたい!」
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