忘れないで約束を…

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ー やだ!今すぐにでも一緒に暮らしたい! ー あれから数カ月経った今でも、樹は頭の中で亜純の悲しい声が反芻していて苦悩していた… 亜純の親にカウンセラーからのアドバイスを説明したが、特に父親には猛反対されてしまい亜純の顔を合わせてくれなくなった上、亜純は無理矢理に別の女子学校へ転校させられていたのだ… もう二度と娘に会わないでくれ、と釘を刺された樹は、そのまま引き退ったけど亜純の悲しい表情は頭から離れることはなかった… 「ハア…どうしてるだろな…」 「どうしたんだ?大きな溜息を吐いて?」 職員会議に出席した樹は会議中はずっと亜純のことを考えてばかりで、会議の内容は少しも耳に入らなかったが、終わると同時に溜息を吐いたため隣に座っていた教諭に笑われた。
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