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「天谷先生、もし松久保君のことを?」
「え!?」
「やはりな。松久保君について、話したいことがある」
亜純の元担任に相談があるから、保健室へ行こうと促された樹は頷いて応じた。
「実はな、松久保君が転校した学校に俺の妻が勤めてるんだが…妻が言うに、松久保君は心労で入院してるんだ。かなり前からな」
「え!入院!?」
「妻の話では父親に対する拒絶反応が凄いらしく、家族も対応に困ってるみたいだよ。しかも天谷先生に会いたいと呟いてるらしいんだ。妻は君のことを知らないから、誰のことがわからなくてね」
「もっと早く言って…」
「俺も昨日に聞いたばかりだ。今すぐにでも松久保君の所へ行ってやれよ」
「うん、わかったわ。教えてくれてありがとうございます!」
「天谷先生、松久保君を幸せにしてやれよ」
「え?」
「あはは、天谷先生が松久保君を好いていることは薄々、感じてたんだ。同性だけど、松久保君を救えるのは天谷先生しかいないからな。俺は二人を応援するよ」
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