忘れないで約束を…

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「娘さんに会わせてください。お願いします」 「先生…来てくれてありがとう…前は悪いことをしたと思って反省しています。娘を助けてあげてください」 樹は亜純のいる病室の前で亜純の両親に頭を下げていると、少し窶れた父親が頭を下げてくる。 「亜純、入るわよ」 「先生!」 小さくノックして病室に入った樹は、いきなり亜純に抱きつかれる! 「亜純…迎えに来たわ…」 「せ、先生…約束は忘れ…」 細くなった亜純の身体を優しく抱きしめながら髪を撫でる樹は、目に涙を溜めている亜純に笑顔を見せる。 「忘れてないわ。ただ、遠回りしたけどね」 「先生…聞いてくれる?そして怒らないと約束してくれる?」 「約束するわ」 樹は頷きながらベッドの縁に亜純と腰を下ろした。
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