10年目の事実

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「………」 イモリ、いや淳は何も答えないまま亜夜を見つめている…… 「淳……。やっぱりダメでしたか…」 何も言わない彼に、無性に悲しくなった亜夜は目を瞑り項垂れたが… 「アヤ、俺を見るんだ」 「え?」 亜夜の手に彼の手が伸びてきて優しく握りしめて来て、驚いた亜夜が顔を上げると… 「アヤ…俺もずっと…待ってたんだ…」 「………」 「本当は俺から言うつもりだったけど、アヤが想いを打ち明けると…だから黙って聞くことにしたんだ…」 「じゃ…あたしの想いを…」 「ああ、受け入れるよ。俺を好いてくれて嬉しいよ。ありがとう…」 淳は亜夜の手を握ったまま嬉しそうに笑う。 「淳…あ、あたしを…好きだったの…?」 「そうだ。初めて教壇に立った時から、アヤを好きになったんだ…あれから、ずっとアヤを想い続けていたんだ…」 「で、でも…あの時の発言は…」 「うむ、生徒に恋をしましたと言ってしまったら教師失格になるからな…あの時から、アヤは俺に振り向いてくれなくなって…寂しい思いをしたんだ…」 「………あたし…初恋だったのに…あの発言は…凄くショックだったの…もう、淳に恋は出来ないと…淳を見ると辛くなるから…見ないように…」
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