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「静子! 静子! 起きて来なさい! 学校遅れるわよ?」
それで、しばらくすると自分の名前を呼ばれたの。
だから、私飛び跳ねて、自分の記憶を頼りに"おかって"まで走ったわけ。
そしたらね、いたのよ。
割烹着きてお味噌汁作ってた。
私は、お母さんなんだって一発で分かったさ。だってもう、身にまとってる雰囲気ってのが、ぜんぶお母さんだったから。
で、ぼけっと突っ立っていたら、お母さんがおでこにシワを寄せながら振り向いたの。
「ほら、はやく顔洗って支度しなさい!」
いつもこんな風に怒ってたなってしみじみしながら、私は洗面所へ走っていったわ。
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