プロローグ(?)

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モブキャラ、という言葉をご存知だろうか。 まぁ簡単に言えば...小説や漫画やアニメやドラマやらで、特に物語の進行に関わらない、居てもいなくても変わらないような登場人物のことだ。 かと言って無視されたり、嫌われたりしているわけでもない。ごくごく普通に人生を送り、この先も特に変わったことも無く平凡に人生を終えるであろうキャラクター。 僕...甲斐(かい)月兎(つきと)は、自他ともに認める『モブキャラ』ポジションの人間だった。 名前こそ少し変わっていて目立つけど、それ以外取り立てて目立つことなんて何もない。 どこにでもいそうな容姿で成績は中の上、運動能力は可もなく不可もなく。中学生時代は活動が緩めのテニス部に入っていたけど、特に大会で実績を残すことも無く。高校生になってからは帰宅部。それなりに友達もいる。 まぁ高校卒業したら大学行ってどっかに就職して、どこにでもありそうな人生を過ごすんだろうなぁと何となく思っていた。それに何の疑問も持っていなかった。 あの夏、彼女に出会うまでは............。
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