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ぞうじ機
家電製品の業界最大手であるビート社。そこの開発担当に1人変わり者の社員がいた。このN博士は誰も思いつかないような画期的な新商品を開発するが、誰もが思いつく問題に気づけずに入社して20年間、まだ1度も実用化に至ってないのであった。
「今回私が発表する新商品はこちら!『ぞうじ機』です!」
博士の後ろのスクリーンいっぱいに、商品の絵が映る。
「これはいったいなんだね」
怪訝な顔をして一番前の席に陣取っている社長が尋ねる。
それはどうみてもゾウであった。
「はい!こちらは見ての通りゾウと、掃除機を組み合わせた物です!
皆さんは象の鼻の器用さはご存知ですね?ぞうじ機ならタンスの上にもテレビの裏にも鼻が届きます!」
感嘆の声があがる。
「さらにゾウの肺にゴミを分解するフィルターを装着しました。これでゴミをエネルギーに変換できます!」
意地の悪い部長から質問が入った。
「しかし、生き物には寿命があるだろ?せっかく買ったのにすぐに死んでしまってはつまらない。」
博士は大げさに両手を広げて答えた。
「ゾウが死んだら何が残りますか?そう、象牙です。これを売って新しいぞうじ機を買うことが出来るでしょう。」
会場は拍手に包まれた。
「素晴らしいよ。聞く限りだと完璧に思えるが、なにか欠点のようなものは無いのかね?」
「強いて上げるならば、全長6mで重量がおよそ8トンな事ですかね」
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