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「恋人同士って、きっとこうしてもたれ合うんじゃないかなと思って」
「もたれ合いたいから、恋人同士なんだと思うけど、きっと」
「それなら、私たちは恋人同士?」
「そこまで言えるといいけどね」
「でもこうしているとなぜかほっとします」
凜は目をつむって僕にもたれかかっている。その湯上りの身体が温かい。
「僕はいつも君に癒されていた。今、君がそういう思いをしているとは妙な気分だけど」
「いつもあなたは私といると癒されると言っていましたが、その気持ち分かるような気がします」
「分かってくれた?」
「今はどうなんですか?」
「癒されるっていうより、少しドキドキしている。好きな娘に身体を預けられてどうしようって」
「いつもと違うの?」
「ああ、ドキドキして緊張している。この後どうしようかと考えているから」
「どうしようって?」
「抱きしめてキスしたい」
凜を抱きしめてキスをした。凜は抱かれてじっとしている。しばらくそのまま凜を抱いていると、温泉の匂いとぬくもりに包まれる。凜の身体の心地よい温かさを感じている。
「今ようやく心が満たされて癒された気持ちになった」
「よかった、そういう気持ちになってもらえて」
今の二人はただ抱き合っているだけでよかった。そのまま二人はうたた寝をしたみたいだった。
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