真っ白なノート

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いつものように私が会社で残業をして終電に乗り合わせるといつも通り彼女の隣付近に座った。ここで彼女はいつも通り私の隣に座ってきて、珍しく話しかけてきた。 「なごり惜しいですが、ここであなたと会うのは今日限りです。」 私は少々、驚いた。いつも「けけけけ」としかいわない 彼女が言葉を交わしてきたのだ。 「いったい、あなたはなんの人ですか?」 「でも、大丈夫ですよ。あなたとはまた別な場所でお会いできますからね」 意味不審なことを言い、彼女は途中の駅で降りて行った。 私は少しの間、呆然としていたが、ひざ元に彼女のノートがおいてあった。  私はノートを開いたが、めくっても、めくっても、ノートには何も書かれていなかった。
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