真っ白なノート

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そんなことがあり、私ノート通りのことをした。なぜ、あのノートには明日の自分が起こることが書いてあったのかはわからない。あの人は未来の私かもしれないという疑念が頭をよぎったが、私は男であるため違うと思った。もしかしたら偶然、ひったくり犯にあっただけで、あのノートは何も関係していないじゃないかというのが正当な考え方であるが、時刻もぴしゃりと合っていたこともあり、未来のことが書いてあるとしか考えつかなかった。考えれば考えるほど、よくわからなくなり、考えれば考えるほど、怖くなった。 それからというものの、終電近くの電車には乗らないと思っていたがどうしてもあの口裂け女の声をした女性が気になって、もう一度だけ電車に乗ることにした。  できたらもう二度と彼女とはあいたくなかったのだが自分の中にある好奇心が抑えられなかったのだ。  何日たった後、仕事で遅くなり、電車に乗る時が来た。 私が電車に乗るとやはり、ひざ元にノートを置いている女性が後ろのほうで座っていた。私は覚悟を決め、彼女の近くに腰かけた。そうすると彼女は前とは違い、すぐに私の隣に腰かけて、私にノートを渡してきた。 私はそのノートを恐る恐る見た。 ●月〇日  (私の名前) ――午後二時に○○銀行に行くと、銀行強盗が起こり、会社のお金を奪われる。―― 私がノートの確認をするやいなや、彼女が私の手元にあったノートを奪い取り、 「けけけけ」 またもや口裂け女風な声をだし、駅で降りて行った。 私は明日の都合を思い出した。 私は明日、会社の都合で銀行に行く。 私は次の日、会社の経理部に今日の銀行に行く件を早めに行きたいと申し出た。経理部の人たちは不思議そうな顔をしていたが、なんとか銀行には、午前中に行けることになった。     
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