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「……聞きたいこと?」
指を鳴らし、右手に一枚のトランプを召喚するグレード。
「瓜の守り人よ、なぜあなたは私の起こす奇跡に動じない? なぜ、そこまで心を閉ざす?」
「……ステージから私を見ていたんですか?」
「正確には見えてしまったのだ。白に紛れる黒……あなたはいつも暗い顔をしている」
「昔からこんな顔です。それに……皆が皆、マジックに心を動かされると思わない方がいいですよ」
「では、マジック以外にあなたの心を動かすものは何です?」
マスクをしているのにも関わらず、グレードの強い視線を感じる玄夢。
「……私がそれを言う義務あります?」
「やはりそう。瓜の守り人よ、あなたの心は酷く廃れている」
「廃れる?」
「感動とは心の余裕があってこそ初めて生まれるもの。あなたは日々、自分を殺し、心に重荷を背負わせている」
「……あなたに私の何が分かるんです……常に人々に注目され、賞賛されるあなたが……」
感情を押し込め、シダレヤナギから離れようとする玄夢。
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