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しかし、呼び止めるようにナギが「カアカア」と鳴き出した。
「瓜の守り人よ。この私にも暗い時期はあった。なぜ、自分だけが孤独なのか。なぜ、自分だけに過酷な運命が突き付けられたのか。私は自分以外の全ての人間に強い「嫉妬心」を抱いた。そして、この世界の「神」に強く願った。私に救済の道を示して欲しい――あるいは、この世の全ての人間を私と同じ境遇に陥れて欲しい――と」
炎のように、どこか熱く語るグレード。
「瓜の守り人よ。幸福な人間が良い気分でいられるのは、不幸な人々が自己の重荷を黙々と担ってくれているからだ」
「不幸な人々が……重荷を担う……」
次第に覚えていく共感の中で、彼の方に顔を向ける玄夢。
すると、見計らったようにグレードの手元にあったカードが燃え上がった。
「私はあなたのような人にこそ感動を与えたい。悲しみの底からすくい上げる「切り札」を見つけ出してね」
嫌悪感が興味心へと変わり、玄夢は元の位置へと舞い戻る。
「Mr.グレード。申し訳ないけど、あなたじゃ私を感動させられない」
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