6人が本棚に入れています
本棚に追加
「純粋な学力で言ったら、朝上の右に出るものはいねえと思ってる。それに、俺はお前からまだ一勝も取れてねえ。いつも惜しいところで負ける」
「ご愁傷さま」
興味なく席を立つ玄夢。
すると、タイミングを見計らってか2人の女子学生が近づいてくる。
「朝上さん、ちょっといいかしら?」
「……ん?」
「このあと、お時間はありまして? これから何人か誘って映画を見に行こうと思っているの」
「映画……」
「冴嶺木雲河様が初主演する映画だよ! 今日がその公開日なんだから!」
スマホ越しに、映画の広告を見せつけられる玄夢。
しかし、至って興味は湧かない。
「……ごめんなさい。今日は剣道の稽古があって」
「そう……ですか」
「残念だな~」
「なら俺が代わりに映画見てやるよ!」
気まずい間を取り持つように、割って入る大弥。
「はあ? なんであなたが」
「俺も雲河さんの演技には興味があるからな!」
最初のコメントを投稿しよう!