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「マジか! でも、高給だしアリか!」
会話を無視し、カタカタとキーボードを鳴らす玄夢。
「しかしあれだな。風鳥奇術団もまだまだ面白いマジシャンを隠しているな。俺、毎年ライブ放送される「奥月の式典」をよく見るけど、「Mr.グレード」なんて奴見たことなかったぞ」
「あれほどインパクトがあるマジックなら、お偉いさんも喜ぶだろうに。なんでやらないんだか不思議だ」
「……やらないんじゃない……やれないんです」
指を止め、無意識に言葉を差してしまう玄夢。
「え? 「やれない」ってどういう意味だよ、瓜守さん?」
「ご存じないですか? 奥月の式典は「火気厳禁」。ライターはおろか、タバコも持ち込むことができないのです」
「へえー、知らなかった! それじゃMr.グレード一生公演できないじゃん!」
「なるほどなー……っていうか、それを知っているということは、瓜守さんもちゃんとマジックショー見てるんじゃん」
「あっ、いえ……別にそういうわけでは……」
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