7 悪魔《ディアブロ》、登場

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 バックヤードにでも連れ込まれるかと思っていた秋川だったが、ワイン売り場の奥の一角にはカウンターが設えてあり、瀬田と共に脚の長い椅子へと腰掛けるように目黒に言われた。 「さて、洗いざらい話してもらおうか?舌を滑らかにする為に、ちょいといい酒を出してやらないこともない」 「目黒さんは、何時も此処で試飲をさせてくれるんですよ」 「ティスティングバーなのか?」  なるほど、瀬田にワインの知恵をつけたのはこの男か。と秋川は納得した。 「確か、晴季のハニーの好みは、白なら飽くまでもスッキリとした辛口。香りは華やかだが、けして甘ったるくない。赤は重厚かつスパイシーで、タンニンが多めのもの。だろう?こんな暑い日は先ずは白だな。リースリングだ。穏やかだがけして飲み飽きない。ドイツの白の代表する品種だ」  目黒は秋川と瀬田との前にそれぞれ、白ワインを指一本分程注いだグラスを置いた。 「タダで話を聞こうだなんて、野暮なことは言わないぜ。さあ、飲め!」 「・・・いただきます」   何やら、秋川が思い描くワインティスティングとは大分かけ離れていたが、素直に口を付ける。 柑橘系の酸味を感じた。 「美味しいです」     
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