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「で、大学時代の先輩後輩で、今は同じ会社でルームシェアをしている晴季とどうしてダーリン!ハニー!の関係になったのかキリキリ白状せんかい?」
やはり、秋川を含む、世間一般の人々のが抱くであろうソムリエのイメージとはそぐわない口調で、目黒が迫ってくる。
しかし、秋川はそんな目黒ではなく、瀬田へと話し掛けた。
「一体、何処まで話してんだ?」
たかがワインのティスティング如きで口が軽くなる様な、可愛げのある酒飲みではないであろう瀬田は、秋川に泣き付いてきた。
「仕方がなかったんですよ~目黒さんがおれに告白してきたんで、断る為にも事情を説明したんです」
「理想が服着て、ワイン棚の前で悩んでいたら恋にも落ちるわ!で、人が親切ごかしにワインのことを色いろと教える代わりに、根掘り葉掘りたずねたら、目下絶賛ラブラブ中の恋人へのプレゼント、貢物とぬかしやがった!毎週まいしゅう、ワイン買って帰らなかったら、部屋に入れなかったりしたんかい!」
「そ、そんなことは・・・」
元はと言えばそのことで、瀬田ともめて大変な目に遭ったのだ。
それくらいだったら、自分で買い求めた方がずっといい。気が楽だ。と秋川は思う。
しかし、瀬田はと言うと、
「スムーズにベッドの中に入れてもらう為でしたね」
と、アッサリ白状した。
「は、晴季!?」
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