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やっぱりアレは袖の下、つまりはワイロだったのか!?と秋川は思った。
それならそれで、もっと高価なのを吹っ掛けておけばよかった!二千円以下だなんてあまりにも安い、安過ぎる。
正確な相場?は知る由もないが、多分そうだろう。
今更ながらに秋川は、心の中でほぞを噛んだ。
「くーっ!この果報者?物でご機嫌を取られるなんて、愛されてる証拠だ!」
半ば本気で羨ましがっている様な目黒に秋川は、いえいえ、二千円以下のですよ?売ったはずのあなたがよーくご存知なはずですよね?と突っ込んでやりたい衝動を抑えた。
「次は赤。カオールだ。ぼんやりとした顔の割には、シッカリめのが好きなんだよな?」
目黒の言い様はあんまりだと思ったが、自分の容姿もワインの好みもその通りだと自覚がある秋川は、既に空のグラスに注がれた、黒ワインの異名を持つ濃い赤を飲んだ。
「で、あんたはどうして晴季と付き合うことにしたんだ?元からじゃないんだろ?」
瀬田の親友のリッくんこと水原陸斗にも、『住のゑ』で同じ様なことを尋ねられたなぁ。と秋川は思い出した。
余程、めずらしいケースなのだろうか?逆に質問したいくらいだった。
「そういうのって判るんですか?」
「判るヤツには、判る。で、どうしてだ?」
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