7 悪魔《ディアブロ》、登場

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 その、判るヤツであろう目黒に問われて秋川は言葉に詰まる。 瀬田や水原、そして目黒の方が所謂、性的マイノリティに属しているはずなのに、その中では自分の方がアウェイというのは何とも皮肉な話だと、秋川は考える。  要するに視点が異なれば、見え方も又異なるという話なのだろう。 「目黒さん、それはその・・・・・」  瀬田は秋川を気にしつつ、目黒の質問責めを止めさせようとした。 何よりも秋川の為であったが、秋川の口からはハッキリと聞きたくない自分自身の為でもあった。  しかし、目黒には全く効き目がない。 「前から興味があったから、渡りに船ってわけでもなかったんだろう?」 「はい」  瀬田と付き合うまでは、同性に対して恋愛感情を抱いたことは一度もない秋川だったから、それは有り得ない。  実際に佐伯に告白された時は、少しもドキドキしなかった。気持ちが悪い!とまでも思わなかったが。  秋川は景気づけとばかりに、一口分のカオールを飲み干した。 力強いブドウの味がする。 「晴季の想いに応えたかった。それだけです」 「慎一さん・・・・・・」  後先を全く考えていなかった。とも言い換えられるが、秋川にそれしか考えさせなかった、瀬田の想い勝ちとも言えるだろう。  まぁ正直ここまでだとは、秋川も思っていなかった。 もしも事前に分かっていたのならば、少しはためらっていたかも知れない。  目黒は自分を見つめる秋川と、その秋川を見つめる瀬田とを見ていた。     
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