8 やっぱり〆は何時も場所で

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 スパークリングと同じで、ロゼも大抵の食べ物に合うな。と秋川は、揚げたジャガイモが入ったスペイン風オムレツを食べた。 見れば瀬田は、エビ春巻を一口で頬張っている。口元から赤いエビの尻尾が覗いていた。  たまたまだろうが今朝方の中華粥といい、チャイニーズ付いているな。と思った。 「昼酒っていいですねぇ・・・・」 実にのんびりとした口調で、瀬田がつぶやく。 ロゼワインのグラスを片手に寛いでいるその姿は、まるでワインメーカーの広告の様だった。  秋川としては瀬田程に酒は強くない自覚があるので、例え休日であっても、昼酒は極力控えていた。 酒は好きだが、貴重な休日を飲んだくれて終わらせたくはない。  でもまぁ、今日はいいだろう。もう出掛けないし、食べて飲んで、眠くなったら寝てしまえばいい。  秋川はグラスを掲げて、真昼の光にワインの色を透かして見た。思わず笑みがこぼれる。 キラキラと光って、まるで宝石を溶かしたかの様だった。きれいだとすら思った。二千円もしない、デイリーのワインなのに。 「慎一さん?」 「いや、楽しいなって思って」  ワインに見とれていたとは正直に言えない秋川は、そう誤魔化して笑った。その笑顔をそのまま、瀬田へと向け、言った。 「ありがとう。晴季。その、色いろあったけど・・・・」 楽しかった。とはさすがに言い切れずに口ごもる秋川に、瀬田は続きをねだらなかった。  その代わりに、 「そっちに行ってもいいですか?」     
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