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「まあね」
ウィンクしながらベーコンをがりりと噛んだ。
ウィンクはやめろ、ウィンクは。
「そもそも人の目の色のバリエーションってのはメラニン色素の割合で決まるんだって。
いくつかある色彩の中でも黒だけは万人が持ってるんだけど、少なくとも2つ以上の遺伝子が影響しあって目の色として現れるんだ」
「へ……へえ?」
「もっとも中心になる遺伝子のほかにも多彩な色を作り出すマイナー遺伝子ってのがあって……」
「それで? 私はなんだっていうわけ」
まずい、起きたばかりなのに眠くなる。
科学的な話はサッパリの私は辟易として水のコップをコルクのコースターに戻した。
「うん。基本的にはアルビノだと思うんだけど」
言いながら躊躇なく私の髪に触れてくる。長いところをピッと一本抜かれた。桜色に色づいた髪がオクタビアヌスの二指につままれ目の前でゆらゆら揺れている。
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